テキストサイズ

近くて甘い

第38章 花の都は恋の街



「お二人ともっ!いい加減にして下さいっ!!」




あっ…
しまったっ…


ここはパリでっ…そして光瑠さんは仕事中でっ…



我に返って酒田さんの方を見ると、酒田さんのおでこにはらりと撫で付けられていた髪から一本髪の毛が落ちて来ていた。






「頼みますからっ…少しの間だけいちゃつかないでいただけますかっ…」



「っ…別に俺はっ…」




そう言いながら、光瑠さんは、私の腰に回った腕を慌てて解いた。




フフフと笑った彼女。




「『本当、とても素敵なカップルだわ…。これで私もデザイン出来そうよ…もう3日ほどいただけるかしら…?』」




彼女の申し出に光瑠さんは目を見開いたあと、笑った。




「良かったっ…」




これは…よく分からないけど…成功…したみたい…




手を差し出した彼女に光瑠さんも手を差し出す。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ