近くて甘い
第41章 社長の初デートっ!
頭を抱える光瑠さんの隣で私はジェラートを頬張っていた。
「あの…ありがとうございます…」
「…………あぁ」
このジェラートを手にするまでに掛かった時間が実に20分…
そりゃ…あんなにずっと店員さんに日本語で怒鳴りつけていたら疲れる…よね…
「……光瑠さん…元気出して?」
「あぁ!?」
不機嫌そうに顔を上げた光瑠さんに苦笑いを返して、ジェラートを一口すくって差し出した。
「食べたら元気出ますよ…?」
「俺は充分元気だっ!」
……本当に光瑠さんって意地っ張りっていうかなんていうか…
「いいから食べて見て下さい…
ね…?」
首を傾げて少し控えめにそう言ったら、光瑠さんは目を細めた。
「だからっ!!!その『ね…?』って言うのをやめろと何度も言ってるだろうがっ!!!」
光瑠さんはそう叫ぶと噛み付くような勢いで、ジェラートを頬張った。