近くて甘い
第42章 パリの夜は…
夕食後…
部屋の窓を眺める真希のことを、光瑠は背後からジッと見つめた。
まるでウェディングドレスを思わせるような純白のスラリとしたドレス…
光を反射したスパンコールと…
左手の薬指にはめられた指輪のダイヤ。
「昨日全然夜景なんて見てなかったですけど綺麗ですねー!」
窓の外を眺めたまま、興奮したようにそういう真希の背後からゆっくりと近付く。
「昨日は…それどころじゃなかったからな…」
ガラスに触れている真希の手の上に、光瑠の大きな手が重なる。
手の甲をゆっくりと撫でるように滑らせたあと、光瑠は指輪をなぞって、ガラス越しに真希の表情を見た。