近くて甘い
第43章 将来の扉
「おお隼人…」
「ひかる〜〜〜!かなめ〜〜!おめでと〜〜!!!」
両手に花束を持った小さな彼は、足下をもたつかせながらも懸命に走る。
「ん?何だ?これは…」
「おしごと頑張った二人にプレゼント!」
二人にそれぞれ花束を渡した隼人の頭を真希が撫でた。
「「………」」
じっと花束を見つめながら、声を発さない二人を見て、真希はフフフと声を洩らした。
「……私と…隼人からです…」
顔を上げた二人は、真希のことをジッと見つめた。
蝉がどこかで鳴いている…
「…二人とも……お疲れ様です…」