近くて甘い
第43章 将来の扉
太陽の下。
真希の微笑みがまぶしい。
「…ありがとうございます……」
微笑みを返した要は、しゃがみ込んで隼人に手を伸ばした。
「隼人も…ありがとう…」
「うんっ!」
光瑠は、目を細めて色々なことを考えていた。
勝手に自分を置いて去った父への復讐のために始めたプロジェクト…
失敗して、会社が潰れてしまえばいいとばかり思っていたのに…
今、
とてつもなく、この場所は“希望”に溢れている。
「……ありがとう…」
あまりに素直な光瑠の言葉に、真希は目を見開いた。
「真希も隼人も…」
そして、立ち上がった要の事を光瑠は見つめた。