テキストサイズ

近くて甘い

第44章 White Prince and Black Prince

「眠ったのか…」



「はい…お疲れだったみたいで…」




微笑んだ光瑠は、机に突っ伏す真希の顔を覗き込んだ。
そして、広がる衣装に目をやって、首を傾げる。





「これは…」



「あぁ、これは明日の文化祭の──」




言ったあとで愛花は口に手を当てた。





─────────────光瑠さんに言ったら来ちゃいそうでしょ?そんなことになったら、うちの学校パニックになって、迷惑が掛かっちゃうから言わないことにしたの。どーせ私も裏方だしね!





「文化祭…?明日なのか」



「っ………あっ…いえっ…」




言い淀む愛花を目を細めて見つめる。




何かある───…




光瑠は勘が鋭い。






「愛花……」



「はっ、はいっ…!」




「お前の主人は誰だ」



「っ……それはっ…光瑠様と真希様ですっ…」



「今目の前で話してるのは…?」



優しく微笑まれて愛花は、顔を青くした。





「ぶっ、文化祭は明日ですっ…!! 真希様は裏方ですがっ…私たちのクラスは執事メイド喫茶という模擬店をっ…」



っ………真希様ごめんなさいっ!





ストーリーメニュー

TOPTOPへ