近くて甘い
第44章 White Prince and Black Prince
明日の文化祭で、
浩平が着る執事の衣装…
袖元に触れた愛花は、ぎゅっとそれを握ったあと、顔を埋めた。
浩平くん……明日は…女の子の相手するんだよなぁ…
浩平くんは優しいから…きっと人気が……
スー…という寝息にハッとした愛花は、真希の方を見た。
ここのところ、ずっと衣装作りにおわれていたから疲れてしまったのだろう…
浩平の衣装を袋に入れた愛花は、真希のそばに近付いた。
うーーん……
明日も早いし、ベッドに運びたいけど私じゃ無理だし……どうしよう…
起こそうかと迷うが、あまりにグッスリ眠っているのでそれも躊躇う。
せめて何か掛けてあげようと思ったところで、カチャっと扉の開く音がした。
「あっ…ご主人様っ…」
慌てて頭を下げた愛花に光瑠は、あぁ、と返事をして真希の事を見た。