近くて甘い
第44章 White Prince and Black Prince
「ありがとうっ…」
それだけ呟いた愛花は、再び俯いた。
二人の間にまた、気まずい空気が流れる。
「もうすぐ始めるぞ〜!クラス賞目指して頑張ろうなぁ!!!!」
亮の叫び声に合わせて、クラスのみんなが、オー!と声を合わせた。
「じゃ…始まるから…」
「そう…だね…」
これから、浩平くんは、女の子の相手をして…
これから野口は、男の相手をして…
二人の頭の中は同じ事でいっぱいになっている…
このままで…
いいのだろうか…