近くて甘い
第44章 White Prince and Black Prince
愛花の肩に手を置いた浩平は、まっすぐ愛花のことを見つめた。
「俺はモテねぇから大丈夫だよ」
「……そんなことないよっ…浩平くんすごくいい人だしっ…優しいしっ…おもしろいしっ…かっこいいしっ…」
「もうやめろってっ…恥ずかしくて死ぬ」
黙った愛花は、赤くなった浩平の顔を見上げた。
沈黙が続いたまま、見つめ合う二人。
「あのさ…」
「うん…」
「……しても…い?」
じっと唇を見つめられて、またトクンと愛花の心臓が高鳴った。
必然と…愛花の視線も浩平の唇に行く。
「……いいよ」
返事を聞いた、浩平は、ゆっくりと顔を近づけて、首を傾ける。
そして、
柔らかなその感触に、また身体中に血が巡るのを感じた。