近くて甘い
第44章 White Prince and Black Prince
「執事メイド喫茶ですから…あぁ!ありました!2回の階段前ですね」
ふぅっと息をついた酒田の隣で要は目を丸くする。
「何ですか…執事メイド喫茶って…」
「……ガキの考える事だ…」
呆れたように顔を崩した光瑠はサングラスを胸のポケットにかける。
バカバカしい…
そう思いながらも、真希が文化祭の存在を隠したことがどうも気になってきてしまった。
「真希さんは何をなさるんですか?まさかメイドなんてことをっ───」
「いや、裏方だそうだ」
良かった…
ホッとしたような要は、先ほどからジロジロと見てくる周りの子に目を向け、挨拶代わりに軽く微笑んだ。
「きゃあぁぁああああ!!!!!黒王子と目が合っちゃったっ…!!!!」
……………黒王子??
突然悲鳴を上げた女の子に首を傾げながら、要は真希の教室へと向かっていた。