近くて甘い
第44章 White Prince and Black Prince
背後からクククと要の笑い声が聞こえる…
先ほどの仕返しとばかりに、愉快に笑っているに違いないっ…
グッと歯を食いしばった光瑠は何も言わずに歩き出す…が…
「社長……」
お得意の悪戯っぽい笑みを見せながら、要は光瑠の肩に手を置く。
「っ………」
関根をからかおうなどと思ったことが間違いだった…っ
「あなたこそ、いつから王子に───」
「黙れっ!!!」
ぶんっと要の手を振り払った光瑠は、先ほどよりも大股で真希の教室へと向かっていた。