近くて甘い
第45章 おかえりなさいませ、ご主人様っ!?
大盛況の執事メイド喫茶。
夏に梨子の叔母さんのところでバイトをさせてもらったから、少し慣れていたけど、そのときよりも人が多くてほとんど走り回っているような状態だった。
「はぁっ…」
「はい、これ」
裏方の方で息をついていると、マネージャーの梨子が近付いて来て水をくれた。
「ありがと…」
やっと息をついた気がする…。
ゴクゴクと水を身体に流し込むと、スーっと身体に浸透していく感覚がした。
「クラス優勝出来るかもね」
「ねー!すごい人だよねー…本当」
「本当、光瑠さん来なくて良かったよ…」
「それは私も思う」
苦笑いをしながら、フリフリのスカートの裾を掴む。
制服でさえ、ちょっと短いだけであんなに騒ぐんだから、こんな衣装着てるのがバレたら間違いなく発狂してくるものっ…