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悲鳴が上がりながらも光瑠の前に自然と道が開く。



あまりにも堂々としているがために、並んでいた人たちも文句一つ言えないまま。



その容姿と光瑠から放たれる大物オーラにただただ息を飲むばかりである。




「社長っ…！いくらあなたでもちゃんと並ばなくては──」



酒田がそう言いかけた時には、もう入り口に光瑠は近付いていた。




真希を驚かせて、どうでもいい隠し事をするなと…ただそれだけを伝えられればいい…




それくらいの気持ちでいた光瑠。



「ねぇー！知ってるー？A組の吉岡くん、ついに藤木さんに告白したんだってー！」



「っ…！？ なんだとっ…」



「きゃっ」




脇から聞こえてきた信じがたい情報に、光瑠は思わず噂をしていた女子学生の腕を掴んだ。



「今なんて言ったっ…！」




またもや口をパクパクさせるその子を動揺しながら見つめていたその時。




「おかえりなさいませっ、ご主人さまっ！」





聞こえてきた真希の声に目を見開いて、固まった。