近くて甘い
第45章 おかえりなさいませ、ご主人様っ!?
まっ、まずいっ…!!!
確認するまでもないが、光瑠の目線の先には、可愛らしい服装で他の男の接客をする真希の姿がある。
「真希っ…!」
ゴールデンウイークのことを思い出した梨子は、懸命に真希にその身の危険を伝えようと声を振り絞った。
が…─────────
「では、ごゆっくりくつろいでいってくださいねっ?ご主人───」
「お前の主人は────」
真希の言葉を遮って、光瑠が大きな声で真希の背後から近付く。
遅かったっ…
梨子の額に冷や汗が流れる。
突然の大きな声にビクッ震え上がったみんなは、すぐさまその声の方に顔を向けた。