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近くて甘い

第45章 おかえりなさいませ、ご主人様っ!?

しばらく固まったまま、真希の、その真剣な瞳を見ていた浩平は、ふっと笑顔を見せたあと、後ろでウルウルとしている愛花のことを見た。



「そのつもりだよ」



「浩平くんっ…」



「野口ってホントよく泣くよなぁ」



愛花の涙を拭った浩平はにっこりと笑う。




何が起こっているのか…




全く訳がわからないまま、まだ解消出来ていない怒りが収まらない光瑠は、頭を激しく掻いたあと、浩平たちのことを見つめる真希の腕を掴んで引っ張った。



「きゃっ…びっくりしたっ…」



「今すぐ着替えろっ…一体いつまでその服でいるつもりだっ…」



「っ…で、でもっ…人手か足りなくてっ…」



「私が戻りますからっ…きゃっ」



身を乗り出した愛花の腕を浩平が掴む。


振り返った愛花は、複雑な顔をしながら見つめてくる浩平の瞳に戸惑った。




「…あ…ごめん…っ。今のは無意識だった…」



ゆっくりと離されていく腕。



─────────この姿で野口が他の男の接客すると思うと、戻りたくねぇ…



さきほどの浩平の切ない呟きが、胸を締め付ける。


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