近くて甘い
第45章 おかえりなさいませ、ご主人様っ!?
30歳半ば頃だろうか…
透き通るような肌に華奢な身体…
細くて緩やかにウェーブした髪をサイドに束ねたその人は、私たちの事を見て、優しく微笑んでいた。
「あ〜神崎(かんざき)先生〜!来てくれたんですか?」
「えぇ…今日は図書館閉めてるし、みんなが頑張ってる様子を見たくて、全部の教室にまわってるの…」
神崎先生…?
梨子と親しげに話す彼女の事を見ながら、私は、軽く会釈を返した。
「あ、真希、神崎先生のこと知らないよね?」
「えっ…あ…うん…」
「去年、アメリカから帰国して、ここの図書館の司書をやってくれてる神崎 恵(かんざき めぐみ)先生。カウンセラーの資格も持っててね、進路のこととか、よく相談してるんだー」
梨子は、そう言って、ねぇ〜先生?と神崎先生の方をみて笑った。