近くて甘い
第47章 淡くて儚い
それから、
いつも以上に図書館にいく事が日課になっていった。
何かを期待しているのだろうか…
胸にむずかゆさを抱えながら、要は恵美に心を開いていった。
「要くんが予約してた本、届いたよ?」
「そうですか」
それは口実でしかない。
ただ毎日来るだけは何となく居心地が悪いから、恵美に会う理由が欲しいだけだった。
いつもの定位置に座りながら、カウンターで作業する彼女のことをたまに視界に入れる。
バカげてるな…
そう自分をけなしながらも、目が勝手に恵美を追ってしまう。