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「……もういいです…」



真希の言葉を背中で受け止めながら、光瑠は、窓に手を触れた。

ひんやりと冷たいガラス…



先ほど真希の頰に触れたために、その冷たさが際立つ。



役に立ちたいと言われて、喜ぶ気持ちと、あと二年も他の場所で自分の知らない他の男たちと真希が関わるかもしれないという不安と嫉妬に、


想いが絡まる…



器用でない光瑠ならなおさら複雑だ。




「光瑠さんが許してくれなくても私は絶対に行きますからっ！」



「っ…おいっ、だから、俺はっ…」



振り返ったと同時に扉がバタンと閉まったのを見て、光瑠は大きく舌を打った。



どうすればいいか…



やりたいということはさせたいが…



どうしても自分のわがままと嫉妬が渦巻く…



それが自身の課題だと分かっていても…。




「……腹が立つっ…！」



広い部屋の中、主人のいら立ちの声だけが響いた。