近くて甘い
第48章 想いは混ざる
「お前が言葉を学んだところで役に立つはずがない」
冷たい言葉が、容赦なく私の胸に刺さる。
「っ…分かってますっ…でもっ…」
「分かってないからそういうことを言うんだろうがっ!いい加減にしろっ!いつまで戯言を言うつもりだっ!」
あまりの迫力で叫ぶ光瑠さんを見ながら、私はただただ身体を強ばらせた。
困らせたい訳じゃない。
助けたいのに…
少しでいいから力になりたいだけ…
それだけなのに…
「……もういいです…」
グッと拳を握った私は、そういって、窓際に立つ光瑠さんの背中をジッと見つめた。