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近くて甘い

第49章 逃げ道

英語を学ぶため…


それはきっと…社長のため…だろう。




「また、一波乱ありそうだな…」


「ですね…」



こめかみをぽりぽりを掻いた酒田の背中が落胆で丸まっていく。



その様子を見ながら要は、眉を上げて口を開いた。



「…だが……なぜその知らせがっ…お前に来たんだ…」



“自分ではなく” という言葉を要は飲み込んだ。




「秘書だからじゃないですか?社長の通訳は僕が兼任してますし…」



「そうか…」



納得が行かない様子の要を見て、酒田は呆れた表情を見せた。



「ちょっと…関根さん…まさか僕に嫉妬してるんじゃ──」



「ばかな事をいうな。俺は社長じゃない。」


必死でいつもの様子を取り繕っている要を見ながら、酒田は軽く笑った。




「とにかく…今日の夕方、真希さんをここに呼んで話を聞こう」



「……そうですねぇ…止めるなら止めるで早い方がいいと思いますし」




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