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近くて甘い

第50章 選択


「でも、私も、副社長は、加奈子に少し傾いてるんじゃないかなぁってそう思ったよ」


「……いいよ、そういうの」



呆れたようにして、藍のことをいなした加奈子は、はぁっと溜め息をついた。



真希ちゃんも社長と幸せみたいだし。私も早いところ現実をみて、ハルと結婚しとけばいいのかなぁ…




「って、いうか、副社長との夕食の約束はどうなったの…?」



「あ…うん、決まって無い…」



「ばかねぇ、そんなのは、強引にでも日にち決めとけばいいのにっ!」


「香純じゃないんだからそんな強引なことは私には出来ないって…」



「……なにそれ…本当に奪いたいなら本気出しなさいよ」




香純らしい助言に藍は呆れたように、香純の事をみた。




「あんたみたいにやってたら、加奈子、会社クビになっちゃうでしょ!」



「……はいはい」




藍の嫌味にも全く動じた気配なく香純は、梅酒を飲み干すと、店員に再びおかわりを注文した。





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