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「もたもたしてたら、取られる…そんなのは当たり前でしょ」



「そうだけど…」




取られるも何もない──…


自分はこれまでも頑張ってアピールは続けてきた訳で、副社長は、そんな私の想いに応えられないって、もうすでに一度はっきりと振られているんだし…




「なんか、もう疲れちゃったよ…」



「そりゃあ…追うより、追われる方がいいよね…」



優しく微笑んだ藍は、浮かない表情を続ける加奈子のことを見つめた。




今朝の私の叫び声に、副社長が驚いた表情を見せていた気がしたけど…



それはやっぱり気のせいだったのかなぁ…



加奈子に期待を持たせるようなことをしたくはない藍は、一人でそんなことを考えながら、お酒を飲み続ける加奈子のことを見ていた。