近くて甘い
第50章 選択
だから──
そう言いながら、光瑠さんは、私の腰を引き付けた。
「お前は、心配するな…」
「……は…い…」
本当に大したことじゃないといんだけれど、要さんはいつも完璧な分、少しでも様子が違うと目立ってしまうから…
「そんなに関根のことが気になるか…」
は…?
片眉を上げた光瑠さんのことを私は、顔をしかめて見上げた。
この人はこんな時まで…っ
「もぉっ!どうして光瑠はいつまでたってもそんなに子どもなんですかっ!?」
「あぁ!? 子どもとはなんだっ!」
「つまらない嫉妬で怒ってばかりで──」
「なんだその言い方はっ!」
ガミガミと怒鳴ってばかりの光瑠さんに私は、本当にこの人と結婚生活が送れるのか不安になりながら、溜め息をついた。