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「あいつが惚れているのは、お前だろう…」



光瑠の直球な質問に、要は、真顔になって、光瑠のことを見つめ返す。




「それは…以前の話ですよ…」



要はそう言いながら、今までの加奈子の表情が浮かんで消えた。


そして…



───────ごめんなさいっ…




以前の真希の声が甦る…


人の想いは時が流れれば変わってしまう。



それは、


要がよく知っていることだ──…




「では…僕は失礼します」


「関根…」


「──仕事がありますから」



光瑠の声に振り返ることなく、社長室を出た要は、口元を片手で覆いながら、大股で歩いていた。



動揺している自分がおかしくて堪らない。



当たり前の結果だ──


彼女の気持ちに“応えられない”と返事をしたのは自分自身で…



にも関わらず



───────副社長に片想いを続けますっ…




ずっと想い続けてくれると…



そんな勘違いをしていたのだろうか──