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近くて甘い

第4章 ファミレスと意地悪王子

酒田が言い掛けたところで、中から、あぁっ~~!と声がして、要は不思議に思い中を覗いた。



そこには
立派な椅子に座りながら、両手で激しく頭を掻く上司の姿があった。



「……何があったんだ…」



中を覗いたまま、要は酒田に尋ねた。



「真希病ですよ。」



クスリと笑う酒田に真希病?と要が言葉を返した。



「えぇ。
今日真希さんが始業式なことすっかり社長は忘れてたみたいで…。
楽しみにしていた休日がなくなり、真希病が発病したようです。」


「だから、その真希病ってのはなんだ。」


「真希病の症状としては、真希さんの事で頭が一杯になる、嫉妬深くなる、ため息ばかりつく、あぁ!と叫んで頭を抱えてばかりになる…ですかね。」


「……なんだ、いつものことじゃないか」



そう言いながら、要は、近くの椅子に腰掛けた。

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