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さようならも言わずに~恋は夢のように儚く~

第3章 弐

 青海屋といえば、江戸でも結構名の通った老舗であった。確か初代は北陸の海辺の寒村から出てきて、一代で店を興したとか。その屋号もその出身地にちなんでいると聞いたことがある。
 青海屋は二年前、主人夫妻が立て続けに流行病(はやりやまい)で亡くなり、店を閉めたが、まさか、お都弥がその亡くなった主夫婦の残した一人娘であったとは!

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