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さようならも言わずに~恋は夢のように儚く~

第3章 弐

「お都弥、今日、俺は屋敷を出る前に、母上に酷いことを言ってしまった。俺は時々、母上という人が判らなくなるのだ。俺のことを可愛がってはくれるが、その優しさが時に疎ましく思えてしまう。それに、母上は俺以外の者には冷たい。話したことがなかったかもしれぬが、俺には腹違いの姉がいた。二つ違いの優しい姉上であったが、俺が十一の歳に亡くなった。

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