
春の風
第4章 騒ぎ
「…あのね」
なんだろう
「あの男、蜜花ちゃんの話してて…」
「…蜜花の話?」
「うん…顔がかわいいから付き合ったんだけど。
──…っ、つまらないから、それで、浮気して。
半年以上浮気してて気付かねーってばかだよなって」
そんなっ
「…蜜花…….」
「蜜花ちゃんごめんね!って、顔色悪いよ!?大丈夫!?」
うそ……浮気されたのは知ってた。それで別れたんだもん
だけど半年もしてたのは知らなかった
あたしたちは七ヶ月しか付き合っていなかったから、ほとんど浮気してたってこと?
あたしがつまらないから!?
目から涙が溢れて来た
「……っく…」
「蜜花、大丈夫?次の授業サボろ!」
「ごめんね、こんな話して……」
「ううん、ありがとう
宮野春樹にもお礼言っといて!あたしも今度たつや一発殴りに行くわ!」
「華ちゃん……」
キーンコーンカーンコーン
タイミングよくチャイムが響いた
「それじゃあね」
「ああ、じゃ」
彼らが教室に入って行くのを見送って
あたしたちは屋上へと足を運んだ
