
春の風
第4章 騒ぎ
────…
「もう大丈夫?」
屋上に来てずっとあたしは泣いていた
その間華ちゃんは何もしゃべらず背中をさすってくれていた
「うん、大丈夫!!」
「よかった、よかった」
「たつやがあたしの事好きじゃないんだって事は分かってたから、さすがにちょっとショックだったけど……しょうがないかなって」
「大丈夫よ!あんたにはいい男できるって!」
そう言って華ちゃんはあたしの背中をぱんっと叩いた
「痛っ!もう!」
「ははっ」
「でも今は恋とかいいかな~。なんか怖いし…」
「え!?でもあんたこないだは、新しい恋するんだー!とか意気込んでなかった?」
「いやあ、やっぱ無理かなあ?はは」
「……まあ、いつかきっと出会いがあるからね」
「うん!今は華ちゃんがいてくれたらいいよ!」
あたしは華ちゃんに抱きついた
「ったく、あんた本当かわいいわね。リスみたい」
「えー、なにそれえ!?」
「ふふっ」
