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春の風

第5章 部屋

*蜜花side*

そのあとは特に話す事もなく、沈黙が続いていた

いきなり家に来て黙ってるってやばいよね!
こいつ何しに来たんだって思ってるよ絶対!
どうやって切り出せばいいの!?

「………あのさ……」

そんなことをぐるぐる考えてたら宮野くんがそっと口を開いた

「…はい…」

「……この前は本当に悪かった……」

「っえ!!」

いきなりの謝罪に驚いた

やっぱりこの人、噂よりいい人なのかな…?

「軽い、冗談のつもりだったんだけど。俺、自分の噂とか知らなくてさ…
俺みたいな奴にあんな事言われたら怒りたくもなるよな。本当にごめんな」

そう言うと宮野くんはおでこを床につけた

「え、ちょっ!大丈夫だよ!そんな気にしてないから!顔あげて!」

元々、そんなに根に持ってたわけでもないし。
あたしも言い返しちゃったしね……


「あたしこそ、あんなひどいこと言ってごめんね!言いすぎたよね…」

「いやいや!あれはそう思うって!本当にごめん」

「ううん、大丈夫……」





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