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誘惑~甘美な秘蜜~

第2章 202号室

「じゃあ、名前…聞いてもいいかな?」


タカシが少し遠慮がちに聞くと、


「あたし?あたしはリカコ。」


「いや、源氏名じゃなくて…本名で教えてくれない?」


一般的に、風俗で働いている女性は、自分の名前は隠して、店側が決めた名前で仕事をする。
その時の名前を源氏名と呼び、店側も、客も、その名前で呼ぶのが当たり前で、例え名前を聞いたところで、リカコが本名を名乗るとはタカシも思ってはいなかった。


「うーん…。」


少し悩んだリカコは、


「エミ。名前はエミ。」


ニコリと笑うエミの顔を見て、タカシはそれが本当かどうかは、この際気にしないようにした。

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