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誘惑~甘美な秘蜜~

第2章 202号室

浴室のドアを開けたままで、エミは備え付けのタオルで身体の水滴を拭き取っていた。
その後ろ姿が、タカシの思考をまたストップさせて、言葉をかけられずにボーッとしていると、エミは、タカシの方を振り返りもせずにベッドのある方向へと歩き出す。

タカシはその後を追うようにして、慌てて浴室から出て、水滴もろくに拭き取らずにエミの待つベッドへと急いだ。

ベッドには、布団を捲り上げてエミが横たわっていた。


「タカシくん。早くここにきて。」


空いたスペースを叩き、慌てて出てきたタカシを誘導するエミの表情は、さっきまでの楽しもうとする感じには思えないタカシだった。


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