テキストサイズ

histoire d'amour eternel

第27章 SAKURA

「うわぁっ……すごっ‼‼」


「でしょう?」



目の前に広がる路を全てピンクに染めてしまうんじゃないか

ってくらい綺麗に咲き繁る桜並木に興奮状態の私の顔を覗き込み、優しく微笑する君の柔らかな表情に


私の頬は、桜に負けじとピンク色。



そんな私の右手をそっと握り



「行こっ」



1歩歩き出す君に遅れないように私も1歩、桜の中へと歩み出す。




淡い淡い、春らしい蒼い空が広がる心地良い、小春日和。




君と過ごす、初めての、春。




頭上に広がる“桃色の世界”に浸りながら、大好きな君の手をギュッと握り締める。





―――その瞬間。





私の中の“君”という物語の一項に

【春】というストーリーが綴り始まる。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ