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histoire d'amour eternel

第27章 SAKURA

「ねぇ」


不意に呼ばれ。


「ん?」


君へと振り向くと同時に、私の視界は君の胸の中へと導かれ

君の香りと君の温もりに一気に全身包まれ


私の鼓動も、一気に加速を上げる。



バクつく心臓を抑えながら、私も君の背中へと腕を回せば

春風と共にふわりと舞う桜吹雪は、まるで私と君を包むかのように優しく舞い

耀る陽射しは、私と君だけを照らす。




―――――倖。




この文字だけが私の頭に浮かび、この文字だけが私の心に溢れ出す。


溢れ出す想いは



「大好き」



言葉となり、君に伝う。



「俺も」



君からの想いが心に触れた瞬間

私の心の中の桜は一気に咲き乱れ


柔らかな陽射しと共に白く、優しく咲き舞い


“君”という物語が鮮やかに彩付き紡ぐ。




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