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histoire d'amour eternel

第28章 紫丁香花

想い出………。


“俺達の事も過去の想い出に…”


これって、どういう…意味、なんだろう…。


今日の出来事も、日付が変わった瞬間

自分の中の想い出の1ページとして記される。

何もないつまらない日常でさえ、次の日には一応、想い出となる。


君のいう、“俺達の事も”の言葉の真意は、何?


同じように流れゆく時間の中で、想い出に替わるという意味?




………それとも




想い出に浸る頃には



私と君は別々の道を歩んでる



という、意味の“想い出”?



もし、後者の意味だったら……



チクチクと痛む胸を抑えながら、少し寂しく思う気持ち

少し、不安になる気持ち


それらを拭うように君の服を裾をギュッと握れば



「ん?どうした?」



優しく微笑み、裾を掴む手をそっと取り、指と指を滑らせ

ギュッと握り締めてくれる、君。





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