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histoire d'amour eternel

第30章 熱中症

「気付いてたけど、言わせてみたくなっちゃって。


ごめんな?」



なんて、君は謝るけれど。

気付いてたの?!って、

めっちゃ恥ずかしかったんだけど!?

って怒鳴ってやりたいんだけれど



あたしの顎をクイッと持ち上げ、見下ろす君の顔が

気付いたらどっぷり暗くなってる空から降り注ぐ月灯りのせいなのか


はたまた、君の持つ、色気のせいかのか


妙に艶っぽい表情に何も言えず


それどころか、君の瞳に映り込む自分の顔から何故か目が離せず




「だから、」


「?」



「まずは、お詫びを込めて」



言葉を言い終えないうちに、徐々に近付く君の顔。




――――と、




ギュッと目を綴じた瞬間


月灯りと共に、ふわりと降る





唇の温もり。




と、同時に、ふわりと吹く


心の温もり。






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