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I'll protect you.

第21章 初恋の人





『え…』



私が学校に来る前に涼太はもう来てたんだ…



すると、シン君は続けた



「あんな顔で学校にいさせると思うか?」




『…ッ』




何も言えない




だって、私のせいだから




「涼太は…、


あんたのこと助けてやりたいって言ってた。


あんたがどんな辛い思いをしてきたか俺にはわからないよ。


涼太には何もできないかもしれないけど…


”伝える”のと”伝えない”とじゃ全然違うよ」




そっとシン君を見上げると、
悔しそうに…切なそうな表情をしていた…



『わかった…

涼太を帰らせてくれてありがとう…』



私は精一杯笑顔でそう答えた


心配はさせたくなかったから…




でも…



「無理しないの!」



パッチーンッとシン君は私のオデコにデコピンをした



『痛ッ!!なにすんのよ!!』



ヒリヒリするオデコをさすりながらシン君をキッと睨み付ける



「作り笑いしてるより、その方がいいよ」



そう言って、シン君は私が大好きだった優しい笑顔を向けた



「俺、日向 心。

あんたは?」




『私は…





藤宮






優…』



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