
I'll protect you.
第22章 ユウと優
俺の勝ち
「早く逃げた方がいいんじゃね?
今俺が呼んだの二人だよ
あ、俺入れたら三人か」
「…!!」
今はこいつをどうのより
ユウの方が大事
すると、俺の携帯からLINE独特のベルの音が2回鳴った
「言い訳だけど、俺
喧嘩弱いわけじゃないから。
優越感に浸って、お前が有意義に高笑いしてるとこ
実に滑稽だったよ」
そいつの顔は沸騰したように赤くなって、
なにも言わず俺とユウを置いてF組の教室を走って出て行った
教室からそいつがいなくなったのを確認して
俺はユウのところに駆け寄った
床に投げられたユウのブレザーを拾いユウに羽織らせる
聞きたいことは山ほどあった
叱りたいこともいっぱいあった
でも…床に座り込んで小さくなって泣いているユウを見て
そんなの全てどうでもよくなった
震えているユウの体を、ただ抱きしめた
