I'll protect you.
第27章 過去
…失格でも、今回くらいはお兄ちゃん面させてほしい
きっとこの役目も俺にしか出来ない事だから…
”カナ兄ちゃん”から”妹のユウ”へ…
「ユウはまず素直に聞きたいことを聞けるようになろうよ。
ユウのそうゆう癖は育った環境が言いたい事も言えなくしたんだろうけど、
いつまでも、逃げてたって答えは見つからないよ。
考えることも大事だけどさ、
確信もないことで悩んでモヤモヤするくらいなら、
ちゃんと聞けるようにならないとさ。
ユウ自身も変わって大人にならなきゃダメ。
ユウも強くならなきゃ。
泣いて逃げてるようじゃダメなんだよ。」
ユウは泣きながらも何度も何度も頷いた。
『……っ…カナ”ァァ!!』
「うおっ!?なんだそのゴジラみたいな泣き声は…
高校生にもなって子供みたく泣くんじゃねーよ!」
『…だって!だって……っ!』
こいつは、まだまだ手の掛かる子供だな……
「わかったわかった。
おいで、ユウ。」
俺が腕を広げると、ユウは勢い良く俺の肩に飛びついた。
『…カナ”ァァ!っ…ひ……うック……カナァ!…っ』
「はいはい、ゴジラちゃんよしよ〜し。
いい子だねぇ〜泣き止め泣き止め〜」
ユウにはまだまだ、カナ兄ちゃんが必要だな……
ユウが一人前になったら。
全ての闇から自由になったら、
俺の気持ちを伝えたい。
それまで俺は、
カナ兄ちゃんとして一番近くで、
ユウを守るから。