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I'll protect you.

第27章 過去

仕事をはじめた頃は、忙しくて全然家に帰ってこれない日が何日も続いて


私は必然的に家で一人でいるようになったんだ……。


正直…家で一人でいるのはお母さんのことを思い出して辛かった……


でも、お父さんは今頑張ってるんだって何度も何度も言い聞かせて過ごしてたんだ…


みんなのような、心を許せる友達もいなくて次第に私は構ってちゃんになってた。


お父さんに見て欲しくて、気付いて欲しくて……


具合が悪いって言えばお父さんはずっと一緒にいてくれるかなとか、

早退するって学校からお父さんに連絡すれば迎えに来てくれるかなとか……


でも、お父さんは来てはなくれなかった。


私は多分、寂しかったんだと思うんだ。


もう何もかも嫌になって、学校にも行かなくなった。


それでも、お父さんは何も言ってくれなくて私のことなんて眼中に無いって感じ……


その頃からかな……


お父さんが、取り引き先の人と結婚の話を進めてたの。


私に報告してきた時には、もう既に婚姻届も出して夫婦になってた。


前はちゃんと私の意見も聞いてくれたのに、今回は私がいないも同然のような扱いで話が進んでたの…


その人は、俗に言う社長令嬢ってやつだったらしい
の……


だから、お父さんは婿に入ることになったんだと思う…


もう、その頃から誰のことも信じられなくて詳しい話もなにも聞かずに

極力誰にも会わないように過ごしてたから本当のことはわからないんだけどね。


そんな私にお父さんは、その人と仲良くしなさいって言ってきたんだ……


私は頑張ったんだけど、その人は私を毛嫌いしたの……


それも、お父さんの見ていないところだけで……


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