I'll protect you.
第27章 過去
「ユウ」
その切なそうな声の主に私は精一杯の笑顔を向けた。
『みんながいれば大丈夫!』
そう言って、私はシン君にVサインをした。
すると、Vサインしていた私の手にシン君の手が重なり、勢い良く引き寄せられる。
シン君の匂いと体温に包まれて、心地よい心臓の音が聞こえてくる。
シン君は力強く、私を抱きしめた。
「生きててくれて、
ありがとう……。」
その言葉と、優しい声に私の目から一気に涙が溢れでた。
私はシン君に縋るように、子供のように声をあげて泣いた。
そんな私をシン君はずっと抱きしめてくれた。
コウキ君は背中をさすってくれていたり、
カナは頭を撫でてくれていた。
みんなの優しさに触れながら、私はいつの間にか意識を手放した。