
I'll protect you.
第28章 いつもずっと
今日も通勤ラッシュの人混みに揉まれながら電車に乗車
それにしても……
今日はやけに人が多い
いつもなら掴むところが当たるのに今日はそれすら当たらない。
掴むものがない私は電車が揺れる度に倒れそうになる
みんな掴むところがないのに携帯をいじりながら直立不動。
……みんなすごい
その時、急に電車が揺れた
『うわっ!』
人の群れに押されて体勢を崩してしまった私は、後ろに尻もちを付きそうになった
こ、ここで尻もちついたら恥ずかしい……!
そんなこと思っても、人混みの中で私の力は無力にすぎないんだな……
「っ!?
ユウ!!」
転びそうになった私を後ろから誰かが包み込む
その力強い腕に引き寄せられて元の位置まで戻ることができた
『ありがと……』
「大丈夫か?」
いつもはふざけて、遊んでばっかなのに……
「危ないから俺に捕まってて」
コウキ君ってこんな男らしかったの……?
