テキストサイズ

I'll protect you.

第28章 いつもずっと




「あれ……?

ユウ髪巻いたの?」


ギュウギュウ詰めでコウキ君の顔を見ることもできない


コウキ君に髪を摘まれている感覚だけが伝わる


『家出るまで時間あったからシン君が巻いてくれたの!

私じゃこんな上手く巻けないよー』



私がそう言うとコウキ君は何も言わずただ髪を指でクルクル




「……シンが?」



沈黙の後、コウキ君が小さな声で呟いたのを私は聞き逃さなかった



『どうしたの?』



私は妙にコウキ君の意外な反応に違和感を持ってギュウギュウ詰めで身動きがとれない中、無理矢理顔を上げてコウキ君を見た



「ふわふわしてて可愛いな!」



コウキ君はいつものように明るい元気なコウキ君だった


……勘違いだったのかな?



コウキ君が少し落ち込んだような……


一瞬だけそんな気がしたんだ……



ストーリーメニュー

TOPTOPへ