I'll protect you.
第29章 GW
毎年、ニュースでは大渋滞が起きるこの連休
人はこの幸せな休みをゴールデンウィークという。
12時半
私達の駅から2つ離れた駅で降りて、私とカナはみんなが来るのを待った
壁に寄りかかって携帯と睨めっこしているカナ
自分の可愛さを最大限に活かしたファッション
白いシャツにジャケットを着て、細身のデニムの裾を少しまくっている可愛い着こなし
髪は片方だけ耳にかけて、いつもよりカナの可愛いさがアップしていた
年下好きにはたまらんのだろうな……
お昼ご飯を済ませた大人っぽいお姉さん系の人達がカナを指さしてキャーキャー言っている
年上にモテるんだね……
『カナって……
オシャレだね……』
携帯を見ていたカナの目がギロっと私を睨んだ
「お前は、俺のこと
ダサくて地味な奴だと思ってたのか?
いくら田舎者だろうと流行には乗りますが?」
……褒めたつもりがカナの逆鱗に触れてしまった!
『ち、違うの!
本当にオシャレだなーって!』
私が必死にカナを褒めていると、急にプッと吹き出した
「嘘だって!サンキューな!
ユウの服も女の子らしくていいね!」
急に自分のことを褒められて顔が一気にボッと熱くなる
『この服ね〜、
楓に選んでもらったの!』
自分のセンスに自信がない私はいつも楓と買い物に行っては服を選んでもらっている
すると、カナは自分を指さしながら言った
「俺の服もシンに選んでもらったんだ〜
あいつセンスいいからさ!」
……シン君って髪セットするのも上手いのに、
服のセンスもいいなんて……
完璧すぎる……
すると駅のホームからみんなが歩いてくるのが見えた。
『こっちこっちー!』
私はみんなに大きく手を振った。