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I'll protect you.

第30章 異変




予定がなくなった放課後



いつもの様にカナと食材を買ってからコウキ君の家に向かって歩く



日に日に袋の中の食材が少なくなっていくにつれてシン君がだんだんと遠い存在に思えてくる



すぐ近くで優しい微笑みを浮かべていたシン君がたまらなく恋しくて…



私、完全にシン君不足……




『はぁ……』




「また溜息

心配だし行ってみる?シンの家」




『行っていいのかな……』



ずっと会ってないからか、ちょっと緊張するし……


でも会いたい……


でも迷惑なんじゃ……


頭の中で”でもでも”が頭をぐるぐるとかけ巡ってなかなか家に押しかける勇気がでない



「なんちゅー顔してんだよ…。

眉間にシワなんてよせてさ」


カナは私の眉間を人差し指でグリグリと押した後、泣き虫な妹をあやすように頭を優しく撫でた



「行っていいんだよ。

その為の合鍵だから」




『行きたい……

シン君に会いたい』



カナは優しく微笑んだ後、コウキ君の家に食材を置きに走って階段を駆け上がった


そんなカナを私はその場で立ち尽くして見ていた



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