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I'll protect you.

第31章 近い⇔遠い










「ユウ……







会いたかった……」









私の背中に回した腕にギュッと力が入った






『会いたかった……っ

私も会いたかった…よ…っ!!』






どれだけ心配したか……




どれだけ不安だったか……





でも、シン君から伝わる体温と心臓の音が、




そんなちっぽけな心配も不安も全てなかったかのように安心する




「心配かけてごめん……」




その言葉に私は顔を上げてシン君に私の怒りをぶちまけた



『そうだよ!!!

どれだけ心配したかシン君にわかる!!?

家に行ったらもう最悪!

お弁当のゴミはそのままだし、

洗濯物だってあんなにためて!!

ご飯食べに来ないと思ったらお弁当ばっか買って食べて!

しかも、一週間も家に帰らないってどうゆうこと!?

連絡の一本もよこさず何処ほっつき歩いてたのよ!

シン君のバーーーカ!!!!』




シン君は私の背中に腕をまわしたまま、見上げてる私の顔をジッと見つめてくる


その顔は、驚きを隠せず目が点になっていて面白い





「…ごめんなさい」





そう言って小さく呟く小さな子供のようなシン君をちょっともう少し見てみたくて……




『もうしない?』





「…しない」





『約束できる?』




「…できる」




『じゃあ許す!




……ところで




触れていいのかわからないけど…




どうして急に




坊主に……?』





「……」





ピピッ!







……ん!?









「やべぇ何だあれ!!!!!

シンが怒られてるぞー!!

坊主とか超ウケるんだけどー!!」



「坊主記念ムービー撮れました監督!!」



「よくやった!!

それをDVDにやいて親族に送りつけるぞ!」






コウキ君…涼太…カナ……





許さない……




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