
I'll protect you.
第31章 近い⇔遠い
シン君は歩いていた足を止めて私をジッと見つめたと思うと、
「ごめん!
好きな奴いるのに、昨日あんな気まずくなるようなこと……
どうかしてたよ人前であんな公開処刑みたいなさ…
本当にごめん」
そう言って、申し訳なさそうに謝るシン君に私はどうしていいかわからなくなった
『その…昨日のことは本当に嬉しかったってゆーか…なんてゆーか…
とにかく本当に嬉しかったの!
だから謝らないで!』
「……あんなことしといてなんなんだけどさ
学校行ったら多分噂になってると思うんだ。
本当にあとさき考えてなくてごめん」
あー……
それは私も思ってたけど…
相手がシン君だからか、そんな噂嫌じゃない…
優越感ってやつなのかな
『そんな気にしないで!
私の方こそ私が相手でなんかごめんね?』
「いやいや、俺が悪いから本当にごめん」
『こんな女と噂なんてごめんね本当に!』
いつの間にか笑って謝り合ってる私たちがなんか馬鹿みたいに思えてきて
私達はいつものように楽しく話をしながら歩いていた
でも一瞬……
ほんの一瞬だけ、シン君が切なそうな顔をしたのを私は見逃さなかった
