
I'll protect you.
第35章 遊園地
あいちゃんが泣きやんだ頃
みんなであいちゃんを囲んでお喋りしていると、
──すみません!と後ろから声がした
「迷子アナウンスで流れていたこの兄ですっ!
藤井と言います!
愛はどこにいますか!?」
……待って
この声は……!
『お兄ちゃん!』
座っていたあいちゃんが急に立ち上がり、その人のところに走っていく
「こら!ベンチに座って待ってなさいって言っただろ!
ったく、あのすいませんでした。
妹がお手数おかけしまして───……え?」
「よう……偶然だな涼太」
シン君がそう言うと涼太はホッとしたように息を吐いた
「お前らが愛をここまで連れてきてくれたのか?
本当にありがとう。
悪い奴らに金請求されたらどうしようかと思った」
……なんて偶然
『涼太の妹だったんだね!
お兄ちゃん見つかってよかったね!』
私がそう言うとあいちゃんはオーバーに首を縦に振って頷いたと思ったら、走ってコウキ君の足に抱き着いた
『あい、このお兄ちゃんだーいすき!!』
離れ難い気持ちを表すかのようにコウキ君にギュッとしがみついた。
コウキ君もあいちゃんに目線を合わせるととびっきりの笑顔を向けた
「俺もあいちゃんが大好きだよ!
今度また遊ぼうな!約束!」
『うん!』
私は涼太とあいちゃんに手を振ってまた遊園地の中を歩き回った
