
I'll protect you.
第35章 遊園地
『シン君シン君シン君シン君!!!』
シン君の名前を呼ぶだけで、一人じゃないって思える。
怖い時、シン君に無性に会いたくなる。
シン君の優しい声に、
優しい言葉、
力強い腕に包まれて、ただ安心がしたい。
「ユウ!!!」
……シン君?
腕を引っ張られた反動で私は引っ張られた方向に倒れ込むと私を優しく受け止めてくれる腕。
私を落ち着かせるように背中を摩る手。
その一つ一つの行動に今までの恐怖心が安堵感へと変わって、一気に涙が溢れそうになる。
『怖かった …怖かった……』
私はその胸に自分の顔をうずめてギュッとシャツを握った。
「落ち着いたか?」
この声、シン君じゃない……
『……コウキ君?』
暗くて表情は見えない
でも、私の肩に置いていたコウキ君の右手がするりと下りてきて、私の手をしっかりと握った。
「もう絶対に離れるな」
……コウキ君?
繋がっている私の左手から伝わるコウキ君の温かさに一気に心拍数が上がったのがわかった。
