
I'll protect you.
第36章 犠牲
俺と涼太は顔を見合わせると、同時に走り出した。
途中すれ違った先生方に怒鳴られても、足を止めず上靴のまま外へ出た。
白い上靴がグラウンドの土で茶色く汚れるのも気にならないくらい全速力でグラウンドを駆け抜けて
サッカー部の部室前
俺らは荒くなった呼吸を整えてドアに手をかけようとした
「……ぃ…な……った…」
中から微かに聞こえてくる誰かの話し声
俺と涼太はアイコンタクトをとってサッカー部の裏にある窓の方に回った。
幸運なことに、夏だからか窓が半分開いていて中の話が筒抜けだった。
『今度は心くんに何したのよ!!!』
